桃とハッセルブラッド

Hasselbladは僕にとっては特別なカメラ。
デジタルになってから省かれてしまったカメラと写真の重要なメカニズムを教えてくれたが、
何より一枚の写真の重さを自分で感じるようになった。

まず露出計で測って、カメラ側の露出やピントも全てマニュアル。
じっくりよく考えてフレーミングしなくてはならない。
フィルムも自分でマガジンにセットし巻き上げ、スライドも自分で引く。
今、6×6のフォーマットでブローニーフィルムで撮影し現像すると、
現像のみでスキャンをしても、1シャッター100円以上かかる。
良い意味で自然に一枚を大切にするわけだ。
貧乏性や写真にお金を使う気がない人には奨めない。撮らなくなって本末転倒になるからだ。

それでも僕は、逃したくない瞬間ばかりで撮りまくる。
一枚一枚を大切に。
それは、デジタルフィルムでの撮影にも確実に活きている。

フィルムのプリントは美しい。
スキャニングでデジタル化しても、デジタルカメラで撮ったものとはまったく違うものになる。

アナログフィルムで撮る意義はある。
それは本人の考え次第かもしれない。
無い人には無いのだろう。
僕には確実にある。

Camera : Hasselblad 503CW
Lenz : Carl Zeiss Planar 80mm F2.8
Film : FUJI PRO 400H
Scan : EPSON GT-X970

Box #03 東日本フライ級新人王予選

写真右 国際ジム 飯田選手

写真左 国際ジム 金子選手

JBC 日本ボクシングコミッション 東日本新人王予選 フライ級4回戦
日本伝統のフライ級。
東洋アジア圏ではやはり軽量級の層が厚い。
ジムでよく撮らせてもらっている二人。
ジムで練習を見ている時から思っていたが非常にレベルが高い。

ボクサータイプの飯田選手はアウトボックスする脚も速く、
左ジャブを起点にストレートを主体とした攻撃力も備えている。
練習も非常に真面目で、日本のトップボクサーとして息の長い選手になりそうだ。

ボクサーファイターの金子選手はアグレッシブなファイトだが、
ほとんどパンチをもらわずディフェンスもしっかりしている。
この日は頭の低いファイターとの対戦だったが、押す所は細かい連打で押して、
下がっても強烈なフック・アッパーを的確に打ち込んで確実にポイントも奪っていた。
今後、高いKO率での勝利が期待できそうだ。

ボクシングの撮影は見方によっては「写真家」としても「カメラマン」としても成り立ち、非常に面白い。
その違いは次回。

Camera : Nikon D4
Lenz : Nikon 24-120mm F4

エビスロード

この写真もフォトテクニックデジタル誌に掲載していたもの。
ビートルズのアビイロード的な事はたぶんほとんどの写真家がやりたくなるのかな・・・?
たぶんこの写真を見たら単純な写真に見えるかもしれないけど実際は意外に難しい。
3テイクくらいしただろうか、モデルの脚のタイミングに合わせるのが難しい。
背景を固定して、予めここへ来たらシャッターを押すというのを決めておく。
一人だからまだ良いが、数人居たらもっと難しいのかも。

この写真で良かったのはモデルさんの演技と、タクシーを入れた事。
雨が降ったり止んだりしていたので、右手で雨を確認し傘が右に振れているのが絵になった。
欲を言うとNDフィルター使って光量を落とし、シャッタースピードを1/30くらいにして撮っていたら
タクシーがイイ感じに横にブレていただろう。
この写真はシャッタースピードが速くて、完全に止まってしまっている。
シャッターを押す直前で入れようと思ったので、仕方ないのかも。

Camera : Canon 5D MarkⅡ
Lenz : Nippon kogaku Japan NIKKOR-S Auto 1:1.4 50mm