中嶋選手の試合の日、僕は彼が後楽園ホールに来た時から、控え室も帰り道もずっと密着取材させてもらった。
誠に勝手な事だが僕が一番伝えたい人は、何十年後かの彼本人とジムの関係者。
僕の写真を見て人生で熱かった時期を思い出してほしい。
そして、次に伝えたいのは、雑誌を通して一般の人にボクサーの生活を知ってほしい。
だから僕はボクサーの舞台裏を撮り続けたい。
オリンピックを見ていて取材のあり方に疑問を持った事がある。
柔道の福見友子選手の敗戦直後のインタビューだった。
メダルがとれずショック状態で頭の回らないであろう福見選手に敗因や色々な事を質問していた。
その時はインタビューアーに怒りをも覚えたが、それは僕がただ甘かった事に気づいた。
後日、報道側の視線に立った番組を見た。
やはり、断腸の思いでショック状態の選手に敗因などを聴いたり、
事実を伝える為に裏舞台をも記録している。
仕事として、泣いた顔も撮らなくてはいけないし、敗因等も聴かなくてはいけないのだ。
僕が一般の方に伝えたいのは、ボクサーの私生活や裏側の苦労や楽しんでいる生活。
後援会との繋がりや、友人にチケットを売りに歩いたり、減量したり、
リングでは見る事ができない事を伝えたいと思っている。
でもそれってなかなか撮らせてもらえない。
やはり、昔からの繋がりのある方や、何度も撮らせてもらって写真を渡している間柄でないと無理だろう。
そして、そのまとめたものは、このブログだけではなく、
後日雑誌等に持って行って、僕の写真を通して多くの人にボクシングに興味を持ってもらいたいと思う。